2015年12月11日 更新

【伝統技術】うっとりするほど美しい♪日本伝統の染めの着物7つ◎

着物には大きく分けて「織り」と「染め」があります。今回は「染め」にスポットをあてて、日本の受け継いでいきたい伝統技術をご紹介します。

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1 友禅

友禅染の様子

友禅染の様子

日本の最も代表的な染めの技術です。
多彩な色彩と、「友禅模様」と呼ばれる曲線的で簡略化された動植物、器物、風景などの文様が特徴である
絵画的な文様を染めるために文様の輪郭線に細く糊を置き、隣り合う色同士がにじまないように工夫する技法が開発された。やがて、この技法が友禅染めと呼ばれることが多くなる。
友禅染はとっても有名ですよね!

筒に防染剤(米糊など)を入れて下絵に沿って細かい線を描いて
筆などでひとつひとつその中に色を挿していきます。

細かい線を描くのも、隣の模様に影響が出ないように色を挿していくのも
相当な技術と手間が必要なのです。。。

職人技 という感じですね。
友禅染のお着物

友禅染のお着物

振袖となると何色も何色も使って制作するので
とっても豪華で見ごたえのあるものになります。

2 江戸小紋

江戸小紋製作中

江戸小紋製作中

廣瀬染工場」の4代目、廣瀬雄一。
江戸時代、諸大名が着用した裃の模様付けが発祥。その後、大名家間で模様付けの豪華さを張り合うようになり、江戸幕府から規制を加えられる。そのため、遠くから見た場合は無地に見えるように模様を細かくするようになり、結果、かえって非常に高度な染色技を駆使した染め物となった。
鮫小紋

鮫小紋

江戸小紋の中でも有名な「鮫小紋」
版をつかって防染剤を置き、
一色で一気に染めていく染めものです。


江戸小紋は遠くから見るとそんなに目立たず
豪華な感じはあまりないのですが、よくみると模様がある!というところに
"粋"の精神を感じます!

鮫小紋は点の集合体ですが、ドットではなく
鮫肌のような模様が描かれています。粋です。。
江戸小紋のお着物

江戸小紋のお着物

遠くから見ると無地に見えますね!
江戸小紋にはたくさんの種類があるので
少し調べるだけでもおもしろいですよ!

3 辻ヶ花(つじがはな)

辻が花 着物の柄

辻が花 着物の柄

幻の染…!
「辻が花 (辻ヶ花)」とは何か、と聞かれても、残された資料も現存する小袖もあまりに少なく一概には言えませんが、定義としては「絞り染めを基調として、描き絵・摺箔・刺繍などを併用したもの」ということでいいでしょう。
「辻が花」の基本はあくまで「絞り染め」です。そこに描き絵や箔・刺繍などを併用することで、絞り染め本来の美しさを最大限に生かした技法なのです。
絞り染めというのは、色が入って欲しくないところに
糸をぐるぐる巻きにして圧力をかけたり(巻き上げ絞り)
残したい形に縫って、糸を絞って同じく圧力をかけて防染したり(纐纈(コウケチ))
する技法です。

辻が花の最盛期は桃山~江戸時代初期でしたが、
だんだん自然消滅してしまったので幻の染物と言われています。
辻が花のお着物

辻が花のお着物

柄は小さなお花の柄が多いです。
色合いも幻想的で素敵です。◎

4 紅型 (びんがた)

紅型

紅型

沖縄の伝統の染め物です。
紅型(びんがた)とは、沖縄を代表する伝統的な染色技法の一つ。14世紀の紅型の裂が現存しており、技術確立の時間を考慮すると、その起源は13世紀頃と推定されている。
「紅」は色全般を指し、「型」は様々な模様を指していると言われる。
紅型は型紙を掘ってそこに糊を置いて防染し、
糊が置かれていないところに色を置いていって染める技法です。

糊は天候によって配合を変えたり、
顔料も2、3日しかもたないようなものなので
とても繊細で気を遣う作業が続きます。
紅型のお着物

紅型のお着物

華やかな南国調のデザインで
色合いがとてもカラフルです!

5 更紗 (さらさ)

更紗

更紗

細かい模様が圧巻です。。
更紗(さらさ)は、インド起源の木綿地の文様染め製品、及び、その影響を受けてアジア、ヨーロッパなどで製作された類似の文様染め製品を指す染織工芸用語
更紗の特色は、その鮮烈な色彩や異国風の文様とともに、木綿という素材を用いること、及び、「織り」ではなく「染め」で文様を表していることにある。
更紗も他の染めの技法と似ていて、
型紙を掘り、糊を置き、染料をのせていく、という流れになります。

約14メートルの長い一枚板(捺染板と呼ばれる)に白生地を張って制作するので、
何度も何度も型紙を使って模様をのせていきます!

民族衣装的な模様が特徴ですね!
更紗のお着物

更紗のお着物

総柄で圧巻ですね。
更紗らしいシックな色合いが素敵です。

6 絞り

絞り 

絞り 

絞りで一番有名なものは「鹿の子絞り」ではないでしょうか。
鹿の子絞り

鹿の子絞り

絞り染め(しぼりぞめ)は布の一部を縛るなどの方法で圧力をかけ染料が染み込まないようにすることで模様を作り出す模様染めの技法の一つ。絞りと略される。
絞り染めでは布の一部に糸で縛る、縫い締める、折るなどして圧力をかけた状態で布を染めることで、圧力のかかった部分に染料が染み込まないようにし模様が作られる。
布地に下絵を描き入れて、
括り技法を持つ技術者が、絞り括りを行います。

絞り方が甘いと染料が入ってきて模様が出なくなったりするので
熟練の技が必要です。

他の染め技法と違って、絞ったところが少し浮き出て立体的になるので
見る角度によっても表情が変わります!!
絞りのお着物

絞りのお着物

多色染めでとても豪華ですね!

7 草木染め

草木染め

草木染め

柔らかな色合いです!
昆虫から得られるコチニールのような植物由来の染料でなくとも天然染料で染めること、または染めたものを草木染めという。
主に植物の葉、茎、根、実などを煮だした液に繊維を浸し、20分程度加熱し、染まった色素を金属イオンと結合させて発色させる。
主な染料は
刈安・ウコン・紅花・アカネ・クサギ など
他にも色が出る天然染料はたくさんあります!

昆虫のコチニールや貝紫など、植物以外でも色は出ます。

化学染料では出せない優しい色合いや、
なんとも言えない風合いが出るのが魅力です。
草木染めのお着物

草木染めのお着物

植物だからといって茶色や緑だけではなく
こういった赤色もでるんです!

草木染めはナチュラルな印象です。

知っておきたい知識

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染めるのにも様々な苦労があります…
次に買う着物を決めるときにもこの知識は必要ですよね!

店頭に行って着物を見たときにどういった染め方なのか知っているだけで
ただ「綺麗!」だけではなく、技術に感動できるとおもいます◎

技術に感動すると着物を作った人の思いやその時の苦労が思い浮かぶので
もっとその着物を好きになれるのではないでしょうか。

着物を楽しむには着るだけでなく知識を増やすことも大事ですよね♪

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